2021年2月8日月曜日

ナチュラルフードにみる食の多様化

 <ポーランドとの貿易・輸出入、ポーランドへの投資、ポーランド進出を考える日本の企業様へ>


近年、ポーランドでは「ナチュラルフード」※1と呼ばれる有機食材や無添加食材などのオーガニック製品やビオ製品をライフスタイルに取り入れる人たちが増えている。ナチュラル志向の高まりと共に、ナチュラル製品の市場が急成長を遂げている。



首都ワルシャワ
では、毎週土曜日にビオバザール※2(右写真)が開催され、オーガニック専門店やセレクトショップが数多く並ぶ。ポーランドのナチュラルフードには、天然素材の肉、魚、オーガニックジュースやビオワイン、有機野菜、その他にも小麦粉の代わりに豆や米を原材料とするパスタや砂糖の代わりにデーツを使用しているお菓子などがあり、人気が高い。

 

ポーランドのナチュラルフードやオーガニックフードの人気の背景には、安全性と環境に配慮した生産方法がある。ナチュラルフードやオーガニックフードは、化学処理された肥料や農薬を一切使わず自然の力のみで作られる。そのため、大量生産された商品に含まれる食品添加物や残留農薬、更に遺伝子組み換え技術が原因とされる健康被害のリスクを低減できる。実際に、グリンピースの実験によると、オーガニック食材だけの食事をすることで発癌性リスクとされる体内の残留農薬量を軽減できることが証明されている。さらに、環境に配慮したオーガニック製品は、2015年に国連サミットで採択された持続可能な開発目標、S D Gsの17の目標のうち、気候変動対策、陸の豊かさを守ることなどを含む6項目が達成可能と考えられ、環境への負荷が少ない。

 

一方、日本でもナチュラルフードの消費者ニーズは高まりつつあり、ナチュラルフードを促進する取り組みが増加している。2021年の2月17日には、東京ビッグサイトで4度目となる「ナチュラルフード・新レシピ発掘オーディション」が開催される。このイベントはナチュラルフード市場の拡大、そしてナチュラルフードプロダクツの品質向上を目的とし、ナチュラルフードを使用したレシピを介して料理人と企業をつなぐプログラムである。予選を勝ち抜いた料理人はこんにゃく麺や粒こんにゃく、ローズソルト、大豆ミート、オーガニック焙煎玄米パウダーなどのナチュラル素材を使用しヘルシーで美味しいレシピを作り、競い合う。

 

日本ではナチュラルフードの流通量がまだまだ少なく、高価な価格、生産時の手間、高い人件費といった課題も見受けられる。しかしながら、自然循環機能を活用したオーガニックの生産、加工方法は人や環境に優しく、今後、持続可能な未来を作っていくうえで「ナチュラル」や「オーガニック」は重要なキーワードである。自然との共生が求められる今、世界規模でナチュラルフードやオーガニックフードなど食の多様化のニーズに応えることが喫緊の課題となっている。

 

※1ナチュラルフード…動物性食品と食品添加物を一切使わない天然素材の食品、有機野菜や無添加食材

 

※2BioBazar  pierwszeństwo dla seniorów! https://biobazar.org.pl/warszawa/2020/10/15/biobazar-pierwszenstwo-dla-seniorow/

 

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