2014年12月22日月曜日

「V4 + 日本」友好と協力

今更ながら、2014年はV4と日本の交流年。ポーランド、チェコ、ハンガリー、スロバキアの4カ国による地域協力機構をV4、Visegrad (ヴィシェグラード)4カ国という。


V4はハンガリー北部のVisegradにおいて1991年2月、チェコスロバキア(当時)・ポーランド・ハンガリーの大統領によって、3カ国の友好と協力の推進を目的に発足した協力の枠組みである。1993年1月にチョコスロバキアの分離に伴い4カ国での構成となった。首脳会合の開催や議長国が策定する計画の下、大統領や首相、外相、専門家レベルで幾多の会合が開催されている。

V4+日本においては、観光や貿易・投資促進、経済協力等の分野で様々な協力が進められている。女優で音楽家の松下奈緒さんが親善大使として今月末までの1年間、文化活動や社会活動を通してV4+日本の交流促進に貢献。一方、ポーランドの親善大使はシンガーソングライターのAnna Maria Jopekさん。今年の3月にはブルーノート東京でも「HAIKU」でジャズピアニストの小曽根真氏との共演を行っている。筆者もその機会に恵まれたが、一夜限りのプレミアムライブということで、会場は大変な盛り上がりであった。


さて、女優で音楽家の松下奈緒さん。3歳からピアノをはじめ、東京音楽大学でピアノを専攻。そんな、松下さんがポーランド文化に触れるきっかけは音楽であった。クラシック・ピアノを学ぶ日本人の多くがショパンを介してポーランドと出会うケースが多いが、松下さんもまさにそんな一人。

松下さんは、ショパンの曲に惹き付けられる理由を「美しいメロディー」にあるという。ショパンといえばその代名詞は「軽やかで柔らかい旋律」。一方、ショパンの「革命のエチュード」の曲にはショパンの強い意志、ポーランドの人々に共通するものを感じるとも語る。松下さんはこの一年、日本のもつ春夏秋冬や四季折々の魅力、おもてなしの心、日本人のさりげない心遣いと文化等を伝え、V4親善大使として交流促進に取り組んできた。

むしろ、これからがV4と日本との真の友好と協力、加えて経済・ビジネス親交の関わりが試される。

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2014年12月18日木曜日

McKinsey & Companyによるポーランド投資レポート

McKinsey社は、ワルシャワ事務所創立20周年、ならびに、ポーランドの民主化25周年を記念して「ポーランド2025」レポートを発表した。

そのレポートによると、今後10年は現在のポーランド経済構造はそれほど変化しないであろうとされている。
McKinsey社による、ポーランドに投資をする長所は;

1-従業員の教育レベル:
特に若い世代の英語レベルが向上していることを強調。交換留学プログラム等の活用が成果を出している。

2-低い労働コスト:
ドイツの平均時給48,80ドルと比較すると、ポーランドのそれは5分の1。

3-戦略的な立地:
ポーランドから1000キロ圏内には、2億人の欧州連合国民が居住している。
また、ロシア市場、アジア市場への近さ。

4-農地の広さ:
まだ開拓されきっていないポーランドの地方土地は、今後、西ヨーロッパのエコ食品の生産場所になれる可能性を有する。

5-国内市場の強さ:
ポーランド人口の多さによる国内市場の大きさ、またその消費量の増加傾向。

6-マクロ経済状況の安定度。より良く発展しているビジネス経営に適した環境。


レポートのなかでは、5つの投資セクターに関して、分析がなされている。
その中のひとつは、ビジネス・サービスに関してである。
ビジネス・プロセス・アウトソーシング、IT、研究開発の分野では、ポーランドは他の豊かな欧州連合諸国よりもはるかに早い発展を見せている。


この分野での投資は、中東欧の国々のみならず、世界のビジネス・サービスを担うインドと比較しても3倍速いスピードで発展している。


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2014年12月17日水曜日

東京西川といえば、ポーランド羽毛ふとん

高級寝具ブランドとして4世紀以上の歴史を誇る西川産業。

西川産業は羽毛ふとんのジャンルで最高品質の羽毛を取り扱っているが、それがポーランドの羽毛であることを知る人は意外と少ない。

羽毛ふとんのフワフワ感漂うタッチは水鳥のダウンによるもの。ダウンとはガチョウやカモの胸のあたりに生える綿羽を指す。軽量で保湿性に優れる特性ゆえ、羽毛ふとんの素材として使われている。ガチョウとカモを比べると、ガチョウの方が羽毛が大きくかさ高もあり、空気をたっぷり含むことでより暖かいものとなる。

寒い地域で育つガチョウほど、寒さから身を守るために大きく保湿性やかさ高に優れた羽毛になり、まさにポーランドの羽毛はこういった特徴を有する高いレベルのものとして評価が高い。


西川産業では1998年に「羽毛ふとん診断士」なる制度が設立されたという。同社の「羽毛ふとん診断士」によるとポーランドの羽毛が優れている理由をこう説明する。「伝統的にポーランドは家族経営の農場が主流です。個人が水鳥を育て管理するので常に良い状態に保つことができます。集団農場で育った水鳥とは歴然とした質の違いがあります」とのことである。

ポーランドの農家ではどこも「ホワイト・コウダ」という優れた品種を扱っていて、そのことがポーランドの羽毛を全国的に高いグレードに保つことに貢献していると言われている。その背景には「動物飼育科学研究所」の存在が大きい。同研究所は1946年に設立され、 ガチョウの品種改良や飼育技術研究、全国への普及等にこれまで取り組んできた。ポーランド羽毛ふとんの素晴らしさは、つまるところ、ポーランドが国をあげて羽毛に取り組んでいる賜物と言えるのである。

ポーランドの羽毛ふとんで寝てみたくなりますね!

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2014年12月12日金曜日

2014年は外国直接投資の記録的な年 - ポーランド



ポーランド投資庁の発表によると、2014年はじめの5ヶ月間に外国から投資されたプロジュクト数は、2013年全体を遥かに上回るとのこと。
2013年全体で外国資本の投資プロジェクト数が53件、総額9億ユーロであったのに対して、2014年はじめの5ヶ月だけで15億ユーロを超えた。2014年はじめ5ヶ月のみで創出された新規雇用数は32600人にのぼる。

2014年6月までにポーランド各地の経済特区に投資された数は記録を塗りかえるものであったことの理由として、経済特区の存続が2026年まで延期されたことが挙げられる。
企業は経済特区に投資をすることにより、法人所得税免除の優遇措置を受けることができる。

今年度の大きな外国投資の例としては、フォルクスワーゲンの再投資が挙げられる。
ポーランド中央部で、新規工場の建設が発表され、投資総額は8億ユーロを超える。

現在、ポーランド投資庁が関わっている大型プロジェクトは、航空関係(10件)、エレクトロニック関係(8件)である。


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2014年12月7日日曜日

日系企業向けのセミナー ウッチで開催



2014年11月28日に、ウッチ市役所・ウッチ経済特区は、日系企業向けに、ビジネス・プロセス・アウトソーシング、シェアード・サービス・センター、研究開発に関わるセミナーを開催した。


ポーランド国内に駐在する日系企業の日本人幹部のみならず、欧州各地からも日系企業幹部が多く参加した。

前半の主なテーマは、欧州に拠点を持つ日系企業の業務集約シェアード・サービス・センターの設立についてで、すでにウッチに財務シェアード・サービス・センターを持つ日系企業2社から、その経験を聞くことができた。
ポーランドでは、欧米企業のシェアード・サービス・センター設立が相次ぎ、現在400以上のセンターが運営されている。ウッチだけで60社を超える。

日系企業でも、欧州・ロシア・中東に拠点を持つグループ企業向けのシェアード・サービス・センターをポーランドに開設する動きが始まっており、その主な業務内容は財務関係である。

そして、後半のテーマは、研究開発。地元の大学の施設・人材を使っての企業との共同研究開発の例が紹介されたほか、実際にドイツの製造企業からウッチで行っている製品開発の内容が紹介された。

また、セミナー最後にはウッチに進出している日系企業の視察もあり、充実したセミナーとなった。



AMAZON 本格的にポーランドで始動



2014年10月末に、ポーランドの3箇所でAMAZONの物流センターがオープン。2箇所はブロツワフ近郊、3箇所目はポズナン近郊である。全3センターの総床面積は95000平米に登り、新規雇用された正社員数は6000人、季節従業員は9000人に上る。

また、さらにウッチ近郊に3000人雇用の物流センター、グダンスクには、IT研究開発センターを設ける予定をしているほか、2015年にはポーランドで新たな3つの物流センターがオープンされる予定。

2014年12月4日木曜日

ポーランド、14の経済特区

ポーランドには14を数える経済特区がある。

経済特区内では日本企業に向けて特別かつ優先的な条件での経済活動を支援してくれる。
公的優遇支援においては、「新規投資」「新規雇用創出」といった名目で与えられる。

少し前に、筆者はポーランド国内の経済特区の中で最近注目を集めているウッチ市を訪問した。一例として、ここの公的優遇支援レベルを紹介してみるとこうなる。

◇ 小企業の場合:公的優遇支援は投資コストと認められた額の55%まで。
◇ 中企業の場合:投資コストと認められた額の45 %まで。
◇ 大企業の場合:投資コストと認められた額の35%まで。

小企業とは従業員数50人まで、年間売上高が1000万ユーロを超えない企業を指す。
中企業とは従業員数250人まで、年間売上高が5000万ユーロを超えない企業を指す。

                                                            ウッチ特別経済特区のオフィスが入っている建物

日本からはすでに富士通、ニチレイ、武田薬品などがウッチ市に進出を果たしている。
ウッチ経済特区の強みについては後日改めて詳細をお伝えしたいが、筆者が注目をした強みの一つはウッチと中国を繫ぐ直通貨物列車の存在である。ウッチから成都まで平均12日、最長でも14日でコンテナ、パレット、箱での出荷が可能である。ウッチからオランダまでは最短1日、最長2日とウッチのロジ面での強みが圧倒的である。

インフラ工事が進むウッチ

ちなみに、ワルシャワ国際空港からウッチ市までは車で1時間、2015年には電車でも55分で通えるようになる。ポーランド国内の主要都市にも3時間前後でアクセスできる。

ウッチ市は今後の有望な経済特区である。


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