2023年3月6日月曜日

 <ポーランドとの貿易・輸出入、ポーランドへの投資、ポーランド進出を考える日本の企業様へ>

東京でポーランド日本経済フォーラムが開催

 

36日、東京で「ポーランド日本経済フォーラム」が開催されました。ポーランドと日本はすでに経済において良好な関係を築いていますが、「更に関係を強化した上で、日本からポーランドへの貿易投資を促進させることが一番重要な課題である」と結論づけられました。ポーランド投資貿易庁、ポーランド開発技術省、在日ポーランド共和国大使館、日本貿易振興機構(ジェトロ)が主催したこのフォーラムには、両国から100社を超える企業の代表者が集まりました。

ポーランドのワルデマール・ブダ開発技術大臣は、日本とポーランドの良好なビジネスパートナーシップに触れた上で、「エネルギー・インフラ・新技術といった分野だけでなく、対話と相互尊重に基づいてお互いをサポートし合えるような長期的な関係にも発展させていきたい」と述べました。

これに対して、日本側も好意的な反応を示しました。日本政府を代表する中谷真一経済産業大臣は、「日本企業の経験と技術的進歩が質の高い人的資本、革新的な新興企業、発展途上のポーランドのインフラと組み合わさることで地域全体の発展に影響を与える素晴らしい共同事業が生まれると確信している」と主張しました。また、JETROの信谷和重副理事長は、「ワルシャワ事務所がポーランドと日本のビジネス協力だけでなく、相互有効の拠点になることを約束する」と付け加えました。

日本にとってポーランドは欧州連合(EU)への自然な架け橋であると言えます。2003年にはポーランドと日本は戦略的パートナーシップ宣言に署名しています。実際に、三井物産、三菱商事、住友商事、トヨタ自動車、日本精工、ブリッジストーン、伊藤忠商事、AGCガラス、ピルキントン(NSGグループ)といった日本の大手資本グループがポーランドに長期的に進出しています。ポーランド国立銀行(NBP)のデータによると、投資資金の面で日本はポーランドにおいてアジア第二位の投資国となっています。また、ポーランドにはすでに356の日本企業が進出しており、そのうち113社が製造業です。これらの日本企業はポーランドで53, 000人以上の雇用を創出しています。また、貿易の面でも双方の関係は良好であると言えます。2019年の貿易は、日本からポーランドへの輸出が前年比5.5%増の23,583500万ユーロとなり、輸入は2.6%増の2,3402800万ユーロになりました。この数字は、ともにポーランドがEUに加盟した2004年以降の最高額を更新しました。一方、2019年の対日貿易も、輸出が前年比18.2%増の66,900万ユーロ、輸入が23.2%増の445,300万ユーロとなり、輸出入ともに大幅に増加しました。

ポーランド投資貿易庁のパヴェウ・クルタシュ理事長は、「今回のフォーラムやそれに先立つ経済使節団、日本の大企業との数多くの二国間会談が、日本からポーランドへの企業の投資規模や投資額の増加につながると信じている」と強調しました。その上で、「ポーランドにおける日本企業のプレゼンスとポーランド人技術者への日本人の評価から、日本企業のさらなる革新的な動きがポーランド企業ならびにポーランド経済で見られると確信している」と述べました。また、「ポーランド企業の日本におけるプレゼンスは、ポーランドのスタートアップ企業の日本での関心と東京進出に見られるように、近い将来さらに高まる」ことも強調しました。

経済・文化面で良好な関係を長間築いてきた日本とポーランドですが、今後の更なる二国間の関係構築に一歩近づくようなフォーラムとなったようです。



ポーランドのワルデマール・ブダ開発技術大臣

(写真:ポーランド貿易投資庁より)


2023年3月1日水曜日

 <ポーランドとの貿易・輸出入、ポーランドへの投資、ポーランド進出を考える日本の企業様へ>

ポーランドの建設産業、総GDPの約5.8%を占める

 

ポーランドの建設産業は、2021年に15185600PLNの売上を記録し、総GDPの約5.8%を占めました。

中でもドア・PVC窓の輸出は100か国以上を上回り、2021年には2975ユーロを記録しました。この数字は、EUの中で一番の輸出額となり、ヨーロッパ全体の輸出の29%を占めるほどになりました。ポーランドのドア・PVC窓の特徴は、その優れた断熱性と遮断性にあります。また、ドアは高品質のPVC/ALUシステムを用いているため、様々な用途に使うことが可能になっています。

ものづくり大国と呼ばれる日本ですが、実は窓の断熱性が低く、「窓後進国」と呼ばれています。ドア・窓の技術が発達しているポーランドから、学ぶべきことが数多くあるかもしれません。

 <ポーランドとの貿易・輸出入、ポーランドへの投資、ポーランド進出を考える日本の企業様へ>

フィンテック調査レポート「How to do FinTech in Poland report」が刊行

 

ポーランドのフィンテックに関するレポートである“How to do Fintech in Poland” が今年の3月に刊行されました。2018年と比べ、2022年にポーランドのフィンテックは79%増えました。その中で、ポーランドで生まれたフィンテックも近年ポーランドのベンチャーキャピタルやポーランドに研究センターを開設するような国際金融機関、グローバルフィンテックに認知され始めてきました。





(グラフ:Chashless.plより)


ポーランドのフィンテックは、以下の5つの理由で増加しているとされています。

・全体的なマクロ経済の成長

・最先端技術を使用する金融サービスへの需要の増加

・高いスキルを持つ専門家と技術系大学卒業者の増か

・コロナによる顧客行動の変化

ESG標準を満たすことへの圧力

ポーランドのフィンテックシステムは、比較的歴史が浅いものではありますが、短い期間ですでに十分に発展を遂げたということができます。日々変化する顧客ニーズや世界でのトレンドに大きく左右されるため、これから先フィンテックの中でもどの分野が急速に成長するかを予測することは難しいかもしれません。しかし、ポーランドでは銀行業界がテクノロジー・プロバイダーと既存の銀行との間で戦略的提携を結ぶ傾向が続いていること、ポーランドの消費者がイノベーションに対して非常にオープンであり、デジタル・ソリューションの利用に対して非常に精通していることから、今後も発展が見込まれるとされています。今後のポーランドのフィンテック産業の動向に注目です。