2024年4月4日木曜日

  <ポーランドとの貿易・輸出入、ポーランドへの投資、ポーランド進出を考える日本の企業様へ>


 2025大阪・関西万博に向け動き出すポーランド(前編)

 

ポーランド展示館 "未来を動かす遺産"


ポーランドにとって大阪万博は自国アピールの格好の機会となる。

同国にとって、貿易・投資・観光、この三つが言うまでもなく最重要分野である。

来場する国内外の人たちにどう自国の魅力を発信し、興味関心を喚起できるか、そういう意味でも建物の外観、内観、付帯設備は極めて重要なハードである。加えて受付に始まり案内情報提供ができる有能な人材の確保はもちろん、「ハイテク ハイタッチ」、「アナログ デジタル」を十二分に発揮することが極めて大事となる。



イノベーションの波


パビリオンの建築デザインは木材の使用を基本とし、アーチと曲線による有機的なフォルムが特徴である。万博におけるポーランドの主要な展示は、約1000m²のポーランド展示館で行われる。この建築はポーランドの「創造性の遺伝子」をモットーとし、未来社会の価値を表現している。ポーランド展示館は、万博のサブテーマのひとつである「生命を救う」ウォーターワールドの近くに位置する予定となっている。

 

パビリオンの構造は、ポーランドの創造性と革新の波が広がっていく様子を模している。革新的なアイデアが広がり、遠く離れた土地に影響を与え、海外で得た知識がその国の影響力の中心に戻ってくる好循環のあり様を目指している。

 

ポーランド展示館の展示を通しての多種多様な旅は、ショパンが残した音楽によってより豊かなものとなることを期待したい。この著名なポーランド人作曲家の作品は、展示館のコンサート・ルームで開催されるピアノ演奏会でも披露される。乞うご期待!


2023年10月11日水曜日

ポーランド北部の穴場スポット、グダニスク

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バルト海に面したとても美しい都市、グダニスク。一般にワルシャワ、ヴロツワフなどの人気スポットが優先されグダニスクは見落とされがちだが、実は素晴らしい魅力で溢れている。オススメの観光スポットを紹介したい。

ドゥーガ通り

まず、オススメは町の中央にあるドゥーガ通りである。この500m近く伸びる道には様々な観光スポットがある。先ずは金色の門から始まる。17世紀に建てられたもので、道沿いの色鮮やかな建物の中でも際立っている。次にドゥーガ通りを進むと、ネプチューンの噴水がある。これは17世紀前半に建てられ、アルトゥスコートという、現在は歴史博物館として、昔は交流の広場として使われていたものである。

      

市庁舎

グダニスクの最高の景色を楽しむには、市庁舎に登っていただきたい。市庁舎はドゥルーギタルグのネプチューンの噴水の隣にある。塔の頂上からは、ドゥーガ通り全体を見下ろすことができ、モトラワ川の先まで見える。晴れた日にはバルト海まで見渡せる。市庁舎にはグダニスク歴史博物館もあり、歴史愛好家にとって価値ある建物である。



モトロワ川


素敵な散歩をしたいときは、モトロワ川の川沿いがオススメである。最高の景色を楽しむには、川の両側を歩くことをお勧めする。グリーンゲートからグリーンブリッジを渡り、川沿いの北へ進むと、川の向こう側に美しいウォーターフロントが見える。川沿いの建物の中でも特に目立つのが、巨大なクレーンである。数百年前に、船に荷物を積み込むために使用されていたものである。グダニスクが貿易都市であった時代の象徴として残っているこのクレーンは見学することも可能。そして、川を渡って戻ってくると、多くのレストランやお店が見えてくる。グダニスクのサインもあるので、そこで写真を撮るのもオススメである。



第二次世界大戦博物館


第二次世界大戦はポーランドに大きな影響を与えている。実は、第二次世界大戦の最初の戦闘はグダニスク郊外で始まっている。そういう歴史のあるグダニスクには、2017年に開かれた第二次世界大戦博物館がある。ここでは、第二次世界大戦に関する軍装品や兵器の展示だけでなく、戦争の内実に関する知識も身につけられる。



マリアツカ通り


グダニスクで一番オシャレな通りと言われているマリアツカ通り。ここではグダニスクにある中世の雰囲気を味わえる古い建物を見ることができる。琥珀のショップが立ち並んでいることで有名であり、amber street (琥珀ストリート)という名前でも知られている。また、雨の日には水を噴き出すガーゴイルの像があるのもこのストリートの特徴である。



 

金色の門

作者:Mathiasrex Maciej Szczepańczyk

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Golden_Gate_in_Gda%C5%84sk.PNG 

 

噴水

作者Diego Delso

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Monumento_Neptuno,_Gdansk,_Polonia,_2013-05-20,_DD_01.jpg

 

市庁舎

作者:Ragesoss

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Gda%C5%84sk_Main_Town_Hall_on_D%C5%82uga_Street,_G%C5%82%C3%B3wne_Miasto,_Gda%C5%84sk,_Poland_-_20100708.jpg  

 

クレーン

作者:John Samuel

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:View_of_old_crane_%C5%BBuraw_in_Gdansk.jpg

 

マリアツカ通り

作者:Artur Andrzej

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Gda%C5%84sk_ulica_Mariacka.jpg 

異世界の街、オストルフ・トゥムスキ

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湖と建物

自動的に生成された説明  

ヴロツワフ市の中で最も古いオストルフ・トゥムスキは歴史的にも重要な場所である。カトリックと強い関係を持つこの場所には、密集した宗教関連の建物が並ぶ。近くには川があり、古い街並みと合わせて穏やかな風景を味わえる。別名でカテドラル島という名でも知られているオストルフ・トゥムスキは、元々は島であった。しかし、19世紀に発生した洪水の影響で、近くのオーデル川の分流を止めざるを得なくなり、今は島ではなくなっている。



歩道を歩いている女性の白黒写真

低い精度で自動的に生成された説明



オストルフ・トゥムフスキは、全く異なった世界感を味わえる数少ない場所の一つである。午後になると、ランプライターが街中のガスランプを手で灯しに来るのが恒例である。今の時代でもまだランプライターが街のガスランプをつけているのは、ヨーロッパでも極めて珍しい。このランプによって作られる雰囲気は写真映えもして、ロマンチックな夜を過ごすには最適である。特にカテドラルナ通りの光景が綺麗だ。

 

  




橋の奥にある建物

低い精度で自動的に生成された説明オストルフ・トゥムフスキを訪れた際、一体どこを巡れば良いのか。まずはピアスコヴィ橋から始まるだろう。1861年に建てられたこの橋はヴロツワフで一番古い橋であり、真っ赤な色が特徴づけている。元々あった橋は11世紀に建てられ、ウィーン、バルト海とヴェニスをつなぐ古代の交易の琥珀の道の一部であった。


これをまっすぐ進むと、キュリロスとメトディウスのロシア正教会、バロック時代の図書館、そして北側の身廊にあるマリア像で知られている砂上の聖マリア教会がある。ここからトゥムスキ橋が延び、町の最も古い部分へと進む。

橋の前にはヤドヴィガ(14世紀のポーランド女王)の像があり、それも注目どころである。橋には南京錠が多く付いていて、新婚夫婦たちの末長い愛を象徴している。



屋外, 建物, 電車, 跡 が含まれている画像

自動的に生成された説明

そこからカテドラルナ通りを進んで、聖ペテロとパウロ教会を通過すると、最後には聖十字架教会の下に立つネポムクの聖ヨハネ像の前までくる。この正十字架協会は、2つの別々の教区を持つ珍しい2階建ての教会である。更に、カテドラルナ通りを進むとこの場所で唯一のポーランド料理を味わえるLwia Bramaがある。また、一息つけるカフェのCafeterie Chicがある。最後にはステンドグラスの窓と祭壇画で有名な聖ヨハネ大聖堂に出て来る。



ヴロツワフの2番目に高いビューポイントであり、ここから美しい景色を見渡せる。このように、様々な宗教的建物に囲まれ、異なる世界観と雰囲気を味わえるのがオストルフ・トゥムスキの魅力である。



町の光景

作者:pawulon

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Wroc%C5%82aw,_Dzielnica_Ostr%C3%B3w_Tumski_-_fotopolska.eu_%28129102%29.jpg

 

ランターンの写真

作者:Klearchos Kapoutsis

https://www.flickr.com/photos/klearchos/3770623470 

 

トゥムスキ橋

作者:Andrzej Otrębski

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Wroclaw_Most_Tumski_i_kosciol_NMP_na_Piasku.jpg 

 

聖ヨハネ大聖堂

作者:Klefciu

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Kolegiata_%C5%9Awi%C4%99tego_Krzy%C5%BCa_i_%C5%9Bw._Bart%C5%82omieja_we_Wroc%C5%82awiu.jpg                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                             

2023年9月29日金曜日

陶器の都市ボレスワヴィエツ

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陶器の都市ボレスワヴィエツ


ボレスワヴィエツ市でこの8月に陶芸フェスティバルが開催された。ボレスワヴィエツの陶芸品はセラミックが使用され、その頑丈さとユニークなデザインが世界の人々を魅了している。フェスティバルに加え、この街には陶芸博物館があり「陶芸の街」としてもよく知られるところである。



何と言っても陶芸フェスティバルはこの街一番の重要な文化イベントである。ポーランド・シレジア県に位置するボレスワヴィエツには、フェスティバル開催時には地元住民のみならずポーランド全土、さらに国外からの観光客が多く集まる。この地域の陶芸産業の重要さを示している。


ボレスワヴィエツには家族経営の小規模な企業から、大規模の企業まで多くの陶器生産者がいる。全ての製品は伝統的なスタンピング技術を使用して手作りで作られる。また、様々な形や模様で作られるが、中でも最も象徴的なのはコバルトブルーの点と花がついた陶器である。フェスティバルではカーニバル形式のパレードが行われるが、そこではコバルトブルーの服を着た何千人もの人々が集まる。


また、ボレスワヴィエツは陶芸だけでなく粘土の陶器でも有名である。陶芸フェスティバル開催の翌日は「粘土の日」となっていて、粘土で覆われた派手な衣装を着た参加者による土偶のパレードが開催される。

皆さんのなかで、興味をもたれたら、来年8月にボレスワヴィエツを訪れてみませんか。陶芸フェスティバルは毎年8月中旬に開催されている。




陶器に使われる色
ポーランド外務省より
https://www.flickr.com/photos/polandmfa/9634634755
 
花瓶
ポーランド外務省より
https://www.flickr.com/photos/polandmfa/9634618461/

手作りの様子
ーランド外務省より
https://www.flickr.com/photos/polandmfa/9634628871/

ポーランド 黄金の秋と教会

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日本は週明けから一気に涼しくなり、いよいよ秋が近づいてきた。ポーランドも徐々に気温が下がり、“złota jesień”=黄金の秋がやってくる。ポーランドの紅葉の季節は、黄金色の葉で満開になる。近くの公園などで気軽に紅葉を楽しめるポーランド。これから、紅葉のベストシーズンを迎えるポーランドをぜひ堪能してほしい。

ワジェンキ公園の紅葉

そんな紅葉と共にぜひ訪れてほしいのが、教会と大聖堂。人口の97パーセントほどが西スラブ系のポーランド人で、カトリックを主に信仰している。そのため、ポーランド国内には美しい教会や大聖堂が数多く存在している。1978年から2005年までローマ教皇に在位していたヨハネ・パウロ二世は、ポーランド人初の教皇である。そこで、ポーランドに訪れる際にぜひ行くべき美しい教会をいくつか紹介する。

 

まずは世界文化遺産に登録されているヤヴォルとシフィドニツァの平和教会郡だ。この教会は、ポーランド南西部のドルヌィ・シロンスク地方に位置し、17世紀半ばにヨーロッパ中を荒廃させた三十年戦争の終結後に平和の象徴として建てられた教会である。数々の厳しい条件の中で建設された教会群の特徴はなんと言っても釘を一切使っていない木造教会であることだ。質素な外見とは対照的に、教会の内部は豪華絢爛なバロック式の装飾が施されている。





続いては聖アンナ教会である。この教会は、ワルシャワ王宮広場沿いにある教会で、コリント式の柱を使って建設された教会である。こちらもシンプルな外観だが、とても煌びやかな内装である。この教会では毎日正午からバロック様式のパイプオルガンコンサートが開催されている。ポーランドで美しいパイプオルガンの音色を聴きたければ、聖アンナ教会に訪れるといいかもしれない。





最後に紹介したいのは古都クラクフに位置する聖マリア教会である。この教会の見どころは、豪華な内装と1時間ごとに時を告げるラッパである。ゴシック様式のこの教会は、豪華な内装でとても有名な教会である。ステンドグラスは息を呑むような美しさで、教会内部のヴィオレットストウオシ祭壇は国宝にも指定されている。また、教会の塔では1時間毎にラッパの演奏があるのだが、その演奏の旋律は途切れたように終わるのだ。13世紀にモンゴル軍が侵攻した際に、敵の襲来を知らせるためのラッパ吹きが敵に射られたことを偲んで、ラッパの演奏は曲の途中で終わる。聖マリア教会に訪れた際はそんな悲しい旋律を一度聴いていただきたい。




ワジェンキ公園の紅葉
写真:たびこふれ

ヤヴォルとシフィドニツァの平和教会郡

写真:Bozena Pytel

聖アンナ教会

写真:Anita Rao Kashi、トリップアドバイザー

聖マリア教会

写真:まっぷるトラベルガイド編集部、Harubobo

2023年9月23日土曜日

歴史ある街ポズナン

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  ポーランドで最も古い都市の一つであるポズナンはその歴史と古くから栄えていた商工業の街として有名である。ポーランド西部に位置し、53万人という国内5番目の人口を持つポズナンはヴィエルコポルスカ県の県都でもある。ポズナンのおすすめ観光スポットを紹介しよう。

旧市場広場

  カラフルな建物が立ち並ぶポズナンの旧市場広場はポズナンを訪れる際、絶対に立ち寄って欲しい。この旧市街エリアの歴史は、1253年までさかのぼる。そこには歴史の記念碑、ランドマーク、博物館、記念品などがギッシリ詰まっていて、広場にいて飽きることはないだろう。中心にはポズナンの旧市庁舎がある。




クロワッサン博物館
  歴史深いポズナンにはパン作りの文化がある。このパン作りを代表するのはクロワッサン博物館である。ここではポズナンの歴史、そしてクロワッサンの歴史も体験することができる。また、クロワッサンの作り方を学ぶことができ、実際に作ることができる。ただの博物館とは違って、体験もできるような大変面白い博物館である。





ポズナン市歴史博物館

  歴史ある街として知られているポズナンであるが、その長い歴史を学びたいと思うならここへ行くべきである。この博物館は13世紀後半に建てられ、16世紀に建て直された旧市庁舎が使われている。この博物館には様々な展示品が収められ、貴重なドキュメントや町の有名人による絵画、色々な人々からの贈り物などが展示されている。これらはポズナンの長い歴史を記録するものと言える。




モラスコ隕石跡地
  最も古い街でもあるポズナンは、もう一つ街としての特徴がある。それは、自然の豊かさである。ポズナンの5分の1が緑に覆われ、もし、自然を見に行くとしたらモラスコ隕石の跡地である。ここの7つのクレーターを刻んだこの隕石は1914年に発見された。この隕石の跡地の周辺は自然保護区に指定されていて、ポズナンの自然に触れるオススメスポットの一つである。






旧市場広場 
作者:David Castor https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/7/7d/Old_marketplace_and_city_hall_in_Pozna%C5%84.jpg 

クロワッサン博物館 
作者:Rzuwig 
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/dd/2017_-_Imieniny_Ulicy_%C5%9Awi%C4%99ty_Marcin_-_rogale_%C5%9Bwi%C4%99tomarci%C5%84skie_13.jpg 

歴史博物館
作者:Diego Delso 
https://tr.wikipedia.org/wiki/Dosya:Ayuntamiento,_Poznan,_Polonia,_2014-09-18,_DD_73-75_HDR.jpg 

隕石跡地 
作者:Jersz https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/0/0b/Nature_reserve_Meteoryt_Morasko_%281%29.jpg

2023年9月21日木曜日

ヴァイオリン奏者を唸らせる作曲家ヴィエニャフスキ

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  ヴァイオリニストなら一度は聞いたことのあるこの作曲家は、ポーランドで最も有名な作曲家の一人である。2つのコンチェルト、華麗なるポロネーズ、そして技術的に要求の高いスケルツォ・タランテラなど名曲を作曲している。この記事では、彼の生い立ちや名曲を紹介したい。
  ヴィエニャフスキはルブリン県の県都でありポーランド南東部にあるルブリン市で生まれた。小さい頃からヴァイオリンの才能が評価され、8歳にしてパリ国立高等音楽院に入る。その後各地様々な場所へ行きリサイタルやツアーで忙しい日々を送る。1860年にサンクトペテルブルクに移住し、12年間そこでヴァイオリンを教え、現地のオーケストラでも活躍した。1875年にブリュッセル王位音楽院にてヴァイオリンの教授になるが、ブリュッセルにいる間に体調を崩し1880年に僅か44歳で他界した。
  彼の短い人生において、多くの名曲を作曲している。今回はそのうちのいくつかを紹介したい。


ポロネーズ第1番 

  「ポーランド風」という意味を持つこの曲は彼の作曲した2つのポロネーズのうちの最初の曲である。また、「Polonaise Brilliante(華麗なるポロネーズ)」という名でも知られている。まだ少年の時に作曲したとされるこの曲は、普段はピアノを伴奏として演奏される。この曲はポロネーズの歩くような躍動感のある雰囲気をテーマにしている。曲の中心部では美しいメロディーで遅くなりながらも、ポロネーズの基本的なリズムが入り組み、曲は前へ進んでいく。後半は技術的に難しいパッセージが続き、最後は盛り上がりの末にポロネーズのリズムを導入して終わる。個人的におすすめなのはマイケル・レビンの録音である。キレのある弾き方やビブラートの表現が美しく、ポロネーズのイメージを細かく表現できている演奏である。

協奏曲第1番

  ヴィエニャフスキが初めて作曲した協奏曲は序盤からエネルギーを吸収されるような盛り上がりから始まる。伴奏のオーケストラが2分程度長々と演奏した後、緊張感が増してからのソリスト登場というエネルギッシュな始まり方である。技術面では最高峰とも言われるこの曲は様々な難所パッセージがあり、その難しさのせいでか、20世紀の後半になるまであまり演奏されなかった。この曲はプロイセン王ヴィルヘルム4世のためにヴィエニャフスキが作曲した曲で、僅か17歳で書いた名曲である。お勧めの演奏は、イツァーク・パールマンと小澤征爾率いるロンドンフィルハーモニー管弦楽団による演奏である。パールマンの美しい音色と表現は素晴らしく、一番優れた演奏だとも評価されている。

協奏曲第2番

  ヴィエニャフスキの2番目の協奏曲は彼が20代の時に作曲した曲である。初演奏は1862年にサンクトペテルブルクにてルビンシテインによって振られ、ヴィエニャフスキ本人がソロを弾いた。この曲は著名な作曲家であるサラサーテのために書かれている。第1版と違って、音楽的により成熟していて豊かで動きのあるメロディーの人気さから頻繁に演奏される(もちろん、技術的に1番より易しいためということもある)。この曲も1番と同様に長い前奏から始まり、ソリストが登場するのは2分半後程経ってからである。ただし、最初のメロディーは刺激的なものではなく、美しく悲しさも含んだキャッチーなメロディーから始まる。この曲も1番と同様に、パールマンの録音が一番お勧めできる。彼のビブラートの表現による演奏は、とても感情深く美しい音色を放ち、聴いていて涙が湧くであろう。

スケルツォ・タランテラ

  ヴィエニャフスキの16曲目の作品であるスケルツォ・タランテラは彼が20歳の頃に作曲した曲である。パリ国立高等音楽院の教授であるランベール・マサールのために作曲し、ショパンのタランテラを参考にして作曲されたと言われている。技術的には、移弦が多く、メインテーマはとても速いのでヴァイオリン奏者の操弓能力が問われ、演奏の見せ場でもある。メインメロディーは速いのと同時にスタッカートがついているためとても元気でありながら激しい曲である。この曲のお勧めできる録音はヤッシャ・ハイフェッツによる演奏である。彼の完璧な技術とキレのあるスタッカート、そしてそれをまるで何もないかのように速いテンポで弾いているのが素晴らしい。


  このようにヴィエニャフスキは多数の有名なヴァイオリンの曲を作曲している。ポーランドからは他にもショパン、シマノフスキ、など様々な著名なクラシック作曲家を輩出している。ポーランドに興味を持ったら、是非作曲家たちの曲を聴いて、自分の好みを探してみよう。