2023年10月11日水曜日

ポーランド北部の穴場スポット、グダニスク

                          <ポーランドとの貿易・輸出入、ポーランドへの投資、ポーランド進出を考える日本の企業様へ>

バルト海に面したとても美しい都市、グダニスク。一般にワルシャワ、ヴロツワフなどの人気スポットが優先されグダニスクは見落とされがちだが、実は素晴らしい魅力で溢れている。オススメの観光スポットを紹介したい。

ドゥーガ通り

まず、オススメは町の中央にあるドゥーガ通りである。この500m近く伸びる道には様々な観光スポットがある。先ずは金色の門から始まる。17世紀に建てられたもので、道沿いの色鮮やかな建物の中でも際立っている。次にドゥーガ通りを進むと、ネプチューンの噴水がある。これは17世紀前半に建てられ、アルトゥスコートという、現在は歴史博物館として、昔は交流の広場として使われていたものである。

      

市庁舎

グダニスクの最高の景色を楽しむには、市庁舎に登っていただきたい。市庁舎はドゥルーギタルグのネプチューンの噴水の隣にある。塔の頂上からは、ドゥーガ通り全体を見下ろすことができ、モトラワ川の先まで見える。晴れた日にはバルト海まで見渡せる。市庁舎にはグダニスク歴史博物館もあり、歴史愛好家にとって価値ある建物である。



モトロワ川


素敵な散歩をしたいときは、モトロワ川の川沿いがオススメである。最高の景色を楽しむには、川の両側を歩くことをお勧めする。グリーンゲートからグリーンブリッジを渡り、川沿いの北へ進むと、川の向こう側に美しいウォーターフロントが見える。川沿いの建物の中でも特に目立つのが、巨大なクレーンである。数百年前に、船に荷物を積み込むために使用されていたものである。グダニスクが貿易都市であった時代の象徴として残っているこのクレーンは見学することも可能。そして、川を渡って戻ってくると、多くのレストランやお店が見えてくる。グダニスクのサインもあるので、そこで写真を撮るのもオススメである。



第二次世界大戦博物館


第二次世界大戦はポーランドに大きな影響を与えている。実は、第二次世界大戦の最初の戦闘はグダニスク郊外で始まっている。そういう歴史のあるグダニスクには、2017年に開かれた第二次世界大戦博物館がある。ここでは、第二次世界大戦に関する軍装品や兵器の展示だけでなく、戦争の内実に関する知識も身につけられる。



マリアツカ通り


グダニスクで一番オシャレな通りと言われているマリアツカ通り。ここではグダニスクにある中世の雰囲気を味わえる古い建物を見ることができる。琥珀のショップが立ち並んでいることで有名であり、amber street (琥珀ストリート)という名前でも知られている。また、雨の日には水を噴き出すガーゴイルの像があるのもこのストリートの特徴である。



 

金色の門

作者:Mathiasrex Maciej Szczepańczyk

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Golden_Gate_in_Gda%C5%84sk.PNG 

 

噴水

作者Diego Delso

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Monumento_Neptuno,_Gdansk,_Polonia,_2013-05-20,_DD_01.jpg

 

市庁舎

作者:Ragesoss

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Gda%C5%84sk_Main_Town_Hall_on_D%C5%82uga_Street,_G%C5%82%C3%B3wne_Miasto,_Gda%C5%84sk,_Poland_-_20100708.jpg  

 

クレーン

作者:John Samuel

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:View_of_old_crane_%C5%BBuraw_in_Gdansk.jpg

 

マリアツカ通り

作者:Artur Andrzej

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Gda%C5%84sk_ulica_Mariacka.jpg 

異世界の街、オストルフ・トゥムスキ

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湖と建物

自動的に生成された説明  

ヴロツワフ市の中で最も古いオストルフ・トゥムスキは歴史的にも重要な場所である。カトリックと強い関係を持つこの場所には、密集した宗教関連の建物が並ぶ。近くには川があり、古い街並みと合わせて穏やかな風景を味わえる。別名でカテドラル島という名でも知られているオストルフ・トゥムスキは、元々は島であった。しかし、19世紀に発生した洪水の影響で、近くのオーデル川の分流を止めざるを得なくなり、今は島ではなくなっている。



歩道を歩いている女性の白黒写真

低い精度で自動的に生成された説明



オストルフ・トゥムフスキは、全く異なった世界感を味わえる数少ない場所の一つである。午後になると、ランプライターが街中のガスランプを手で灯しに来るのが恒例である。今の時代でもまだランプライターが街のガスランプをつけているのは、ヨーロッパでも極めて珍しい。このランプによって作られる雰囲気は写真映えもして、ロマンチックな夜を過ごすには最適である。特にカテドラルナ通りの光景が綺麗だ。

 

  




橋の奥にある建物

低い精度で自動的に生成された説明オストルフ・トゥムフスキを訪れた際、一体どこを巡れば良いのか。まずはピアスコヴィ橋から始まるだろう。1861年に建てられたこの橋はヴロツワフで一番古い橋であり、真っ赤な色が特徴づけている。元々あった橋は11世紀に建てられ、ウィーン、バルト海とヴェニスをつなぐ古代の交易の琥珀の道の一部であった。


これをまっすぐ進むと、キュリロスとメトディウスのロシア正教会、バロック時代の図書館、そして北側の身廊にあるマリア像で知られている砂上の聖マリア教会がある。ここからトゥムスキ橋が延び、町の最も古い部分へと進む。

橋の前にはヤドヴィガ(14世紀のポーランド女王)の像があり、それも注目どころである。橋には南京錠が多く付いていて、新婚夫婦たちの末長い愛を象徴している。



屋外, 建物, 電車, 跡 が含まれている画像

自動的に生成された説明

そこからカテドラルナ通りを進んで、聖ペテロとパウロ教会を通過すると、最後には聖十字架教会の下に立つネポムクの聖ヨハネ像の前までくる。この正十字架協会は、2つの別々の教区を持つ珍しい2階建ての教会である。更に、カテドラルナ通りを進むとこの場所で唯一のポーランド料理を味わえるLwia Bramaがある。また、一息つけるカフェのCafeterie Chicがある。最後にはステンドグラスの窓と祭壇画で有名な聖ヨハネ大聖堂に出て来る。



ヴロツワフの2番目に高いビューポイントであり、ここから美しい景色を見渡せる。このように、様々な宗教的建物に囲まれ、異なる世界観と雰囲気を味わえるのがオストルフ・トゥムスキの魅力である。



町の光景

作者:pawulon

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Wroc%C5%82aw,_Dzielnica_Ostr%C3%B3w_Tumski_-_fotopolska.eu_%28129102%29.jpg

 

ランターンの写真

作者:Klearchos Kapoutsis

https://www.flickr.com/photos/klearchos/3770623470 

 

トゥムスキ橋

作者:Andrzej Otrębski

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Wroclaw_Most_Tumski_i_kosciol_NMP_na_Piasku.jpg 

 

聖ヨハネ大聖堂

作者:Klefciu

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Kolegiata_%C5%9Awi%C4%99tego_Krzy%C5%BCa_i_%C5%9Bw._Bart%C5%82omieja_we_Wroc%C5%82awiu.jpg                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                             

2023年9月29日金曜日

陶器の都市ボレスワヴィエツ

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陶器の都市ボレスワヴィエツ


ボレスワヴィエツ市でこの8月に陶芸フェスティバルが開催された。ボレスワヴィエツの陶芸品はセラミックが使用され、その頑丈さとユニークなデザインが世界の人々を魅了している。フェスティバルに加え、この街には陶芸博物館があり「陶芸の街」としてもよく知られるところである。



何と言っても陶芸フェスティバルはこの街一番の重要な文化イベントである。ポーランド・シレジア県に位置するボレスワヴィエツには、フェスティバル開催時には地元住民のみならずポーランド全土、さらに国外からの観光客が多く集まる。この地域の陶芸産業の重要さを示している。


ボレスワヴィエツには家族経営の小規模な企業から、大規模の企業まで多くの陶器生産者がいる。全ての製品は伝統的なスタンピング技術を使用して手作りで作られる。また、様々な形や模様で作られるが、中でも最も象徴的なのはコバルトブルーの点と花がついた陶器である。フェスティバルではカーニバル形式のパレードが行われるが、そこではコバルトブルーの服を着た何千人もの人々が集まる。


また、ボレスワヴィエツは陶芸だけでなく粘土の陶器でも有名である。陶芸フェスティバル開催の翌日は「粘土の日」となっていて、粘土で覆われた派手な衣装を着た参加者による土偶のパレードが開催される。

皆さんのなかで、興味をもたれたら、来年8月にボレスワヴィエツを訪れてみませんか。陶芸フェスティバルは毎年8月中旬に開催されている。




陶器に使われる色
ポーランド外務省より
https://www.flickr.com/photos/polandmfa/9634634755
 
花瓶
ポーランド外務省より
https://www.flickr.com/photos/polandmfa/9634618461/

手作りの様子
ーランド外務省より
https://www.flickr.com/photos/polandmfa/9634628871/

ポーランド 黄金の秋と教会

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日本は週明けから一気に涼しくなり、いよいよ秋が近づいてきた。ポーランドも徐々に気温が下がり、“złota jesień”=黄金の秋がやってくる。ポーランドの紅葉の季節は、黄金色の葉で満開になる。近くの公園などで気軽に紅葉を楽しめるポーランド。これから、紅葉のベストシーズンを迎えるポーランドをぜひ堪能してほしい。

ワジェンキ公園の紅葉

そんな紅葉と共にぜひ訪れてほしいのが、教会と大聖堂。人口の97パーセントほどが西スラブ系のポーランド人で、カトリックを主に信仰している。そのため、ポーランド国内には美しい教会や大聖堂が数多く存在している。1978年から2005年までローマ教皇に在位していたヨハネ・パウロ二世は、ポーランド人初の教皇である。そこで、ポーランドに訪れる際にぜひ行くべき美しい教会をいくつか紹介する。

 

まずは世界文化遺産に登録されているヤヴォルとシフィドニツァの平和教会郡だ。この教会は、ポーランド南西部のドルヌィ・シロンスク地方に位置し、17世紀半ばにヨーロッパ中を荒廃させた三十年戦争の終結後に平和の象徴として建てられた教会である。数々の厳しい条件の中で建設された教会群の特徴はなんと言っても釘を一切使っていない木造教会であることだ。質素な外見とは対照的に、教会の内部は豪華絢爛なバロック式の装飾が施されている。





続いては聖アンナ教会である。この教会は、ワルシャワ王宮広場沿いにある教会で、コリント式の柱を使って建設された教会である。こちらもシンプルな外観だが、とても煌びやかな内装である。この教会では毎日正午からバロック様式のパイプオルガンコンサートが開催されている。ポーランドで美しいパイプオルガンの音色を聴きたければ、聖アンナ教会に訪れるといいかもしれない。





最後に紹介したいのは古都クラクフに位置する聖マリア教会である。この教会の見どころは、豪華な内装と1時間ごとに時を告げるラッパである。ゴシック様式のこの教会は、豪華な内装でとても有名な教会である。ステンドグラスは息を呑むような美しさで、教会内部のヴィオレットストウオシ祭壇は国宝にも指定されている。また、教会の塔では1時間毎にラッパの演奏があるのだが、その演奏の旋律は途切れたように終わるのだ。13世紀にモンゴル軍が侵攻した際に、敵の襲来を知らせるためのラッパ吹きが敵に射られたことを偲んで、ラッパの演奏は曲の途中で終わる。聖マリア教会に訪れた際はそんな悲しい旋律を一度聴いていただきたい。




ワジェンキ公園の紅葉
写真:たびこふれ

ヤヴォルとシフィドニツァの平和教会郡

写真:Bozena Pytel

聖アンナ教会

写真:Anita Rao Kashi、トリップアドバイザー

聖マリア教会

写真:まっぷるトラベルガイド編集部、Harubobo

2023年9月23日土曜日

歴史ある街ポズナン

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  ポーランドで最も古い都市の一つであるポズナンはその歴史と古くから栄えていた商工業の街として有名である。ポーランド西部に位置し、53万人という国内5番目の人口を持つポズナンはヴィエルコポルスカ県の県都でもある。ポズナンのおすすめ観光スポットを紹介しよう。

旧市場広場

  カラフルな建物が立ち並ぶポズナンの旧市場広場はポズナンを訪れる際、絶対に立ち寄って欲しい。この旧市街エリアの歴史は、1253年までさかのぼる。そこには歴史の記念碑、ランドマーク、博物館、記念品などがギッシリ詰まっていて、広場にいて飽きることはないだろう。中心にはポズナンの旧市庁舎がある。




クロワッサン博物館
  歴史深いポズナンにはパン作りの文化がある。このパン作りを代表するのはクロワッサン博物館である。ここではポズナンの歴史、そしてクロワッサンの歴史も体験することができる。また、クロワッサンの作り方を学ぶことができ、実際に作ることができる。ただの博物館とは違って、体験もできるような大変面白い博物館である。





ポズナン市歴史博物館

  歴史ある街として知られているポズナンであるが、その長い歴史を学びたいと思うならここへ行くべきである。この博物館は13世紀後半に建てられ、16世紀に建て直された旧市庁舎が使われている。この博物館には様々な展示品が収められ、貴重なドキュメントや町の有名人による絵画、色々な人々からの贈り物などが展示されている。これらはポズナンの長い歴史を記録するものと言える。




モラスコ隕石跡地
  最も古い街でもあるポズナンは、もう一つ街としての特徴がある。それは、自然の豊かさである。ポズナンの5分の1が緑に覆われ、もし、自然を見に行くとしたらモラスコ隕石の跡地である。ここの7つのクレーターを刻んだこの隕石は1914年に発見された。この隕石の跡地の周辺は自然保護区に指定されていて、ポズナンの自然に触れるオススメスポットの一つである。






旧市場広場 
作者:David Castor https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/7/7d/Old_marketplace_and_city_hall_in_Pozna%C5%84.jpg 

クロワッサン博物館 
作者:Rzuwig 
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/dd/2017_-_Imieniny_Ulicy_%C5%9Awi%C4%99ty_Marcin_-_rogale_%C5%9Bwi%C4%99tomarci%C5%84skie_13.jpg 

歴史博物館
作者:Diego Delso 
https://tr.wikipedia.org/wiki/Dosya:Ayuntamiento,_Poznan,_Polonia,_2014-09-18,_DD_73-75_HDR.jpg 

隕石跡地 
作者:Jersz https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/0/0b/Nature_reserve_Meteoryt_Morasko_%281%29.jpg

2023年9月21日木曜日

ヴァイオリン奏者を唸らせる作曲家ヴィエニャフスキ

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  ヴァイオリニストなら一度は聞いたことのあるこの作曲家は、ポーランドで最も有名な作曲家の一人である。2つのコンチェルト、華麗なるポロネーズ、そして技術的に要求の高いスケルツォ・タランテラなど名曲を作曲している。この記事では、彼の生い立ちや名曲を紹介したい。
  ヴィエニャフスキはルブリン県の県都でありポーランド南東部にあるルブリン市で生まれた。小さい頃からヴァイオリンの才能が評価され、8歳にしてパリ国立高等音楽院に入る。その後各地様々な場所へ行きリサイタルやツアーで忙しい日々を送る。1860年にサンクトペテルブルクに移住し、12年間そこでヴァイオリンを教え、現地のオーケストラでも活躍した。1875年にブリュッセル王位音楽院にてヴァイオリンの教授になるが、ブリュッセルにいる間に体調を崩し1880年に僅か44歳で他界した。
  彼の短い人生において、多くの名曲を作曲している。今回はそのうちのいくつかを紹介したい。


ポロネーズ第1番 

  「ポーランド風」という意味を持つこの曲は彼の作曲した2つのポロネーズのうちの最初の曲である。また、「Polonaise Brilliante(華麗なるポロネーズ)」という名でも知られている。まだ少年の時に作曲したとされるこの曲は、普段はピアノを伴奏として演奏される。この曲はポロネーズの歩くような躍動感のある雰囲気をテーマにしている。曲の中心部では美しいメロディーで遅くなりながらも、ポロネーズの基本的なリズムが入り組み、曲は前へ進んでいく。後半は技術的に難しいパッセージが続き、最後は盛り上がりの末にポロネーズのリズムを導入して終わる。個人的におすすめなのはマイケル・レビンの録音である。キレのある弾き方やビブラートの表現が美しく、ポロネーズのイメージを細かく表現できている演奏である。

協奏曲第1番

  ヴィエニャフスキが初めて作曲した協奏曲は序盤からエネルギーを吸収されるような盛り上がりから始まる。伴奏のオーケストラが2分程度長々と演奏した後、緊張感が増してからのソリスト登場というエネルギッシュな始まり方である。技術面では最高峰とも言われるこの曲は様々な難所パッセージがあり、その難しさのせいでか、20世紀の後半になるまであまり演奏されなかった。この曲はプロイセン王ヴィルヘルム4世のためにヴィエニャフスキが作曲した曲で、僅か17歳で書いた名曲である。お勧めの演奏は、イツァーク・パールマンと小澤征爾率いるロンドンフィルハーモニー管弦楽団による演奏である。パールマンの美しい音色と表現は素晴らしく、一番優れた演奏だとも評価されている。

協奏曲第2番

  ヴィエニャフスキの2番目の協奏曲は彼が20代の時に作曲した曲である。初演奏は1862年にサンクトペテルブルクにてルビンシテインによって振られ、ヴィエニャフスキ本人がソロを弾いた。この曲は著名な作曲家であるサラサーテのために書かれている。第1版と違って、音楽的により成熟していて豊かで動きのあるメロディーの人気さから頻繁に演奏される(もちろん、技術的に1番より易しいためということもある)。この曲も1番と同様に長い前奏から始まり、ソリストが登場するのは2分半後程経ってからである。ただし、最初のメロディーは刺激的なものではなく、美しく悲しさも含んだキャッチーなメロディーから始まる。この曲も1番と同様に、パールマンの録音が一番お勧めできる。彼のビブラートの表現による演奏は、とても感情深く美しい音色を放ち、聴いていて涙が湧くであろう。

スケルツォ・タランテラ

  ヴィエニャフスキの16曲目の作品であるスケルツォ・タランテラは彼が20歳の頃に作曲した曲である。パリ国立高等音楽院の教授であるランベール・マサールのために作曲し、ショパンのタランテラを参考にして作曲されたと言われている。技術的には、移弦が多く、メインテーマはとても速いのでヴァイオリン奏者の操弓能力が問われ、演奏の見せ場でもある。メインメロディーは速いのと同時にスタッカートがついているためとても元気でありながら激しい曲である。この曲のお勧めできる録音はヤッシャ・ハイフェッツによる演奏である。彼の完璧な技術とキレのあるスタッカート、そしてそれをまるで何もないかのように速いテンポで弾いているのが素晴らしい。


  このようにヴィエニャフスキは多数の有名なヴァイオリンの曲を作曲している。ポーランドからは他にもショパン、シマノフスキ、など様々な著名なクラシック作曲家を輩出している。ポーランドに興味を持ったら、是非作曲家たちの曲を聴いて、自分の好みを探してみよう。

2023年9月13日水曜日

ポーランドが香港Food Expoに出展 アジアでの存在感を高める

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817日から821日に香港でフード・エキスポ2023が開催され、ポーランドが出展した。

 

香港フード・エキスポはHKTDC(香港貿易発展局)が主催したアジア最大級の総合食品見本市である。ポーランドはポーランド農業農村開発省が主催し、高品質の穀類、フルーツジュース、加工野菜・果物、ジャム、シロップ、乳製品、鶏肉製品、魚介類、菓子類の展示、提供をした。今回の出展の目的は、ポーランド料理を広めること、中国とグローバルな市場での存在感を高めること、香港、中国、アジアの今後の貿易パートナーにポーランド製品へ関心を持ってもらうことである。

 

ポーランドブースには、小売ネットワーク、卸売業者、業界団体の香港代表団や香港工業総会の代表が訪れた。また、Beef Promotion Fundの協力のもと行ったライブの料理ショーがさらに来場者を惹きつけたようである。

 

今後、香港をはじめアジア各地でポーランド料理が広く知られることを期待したい。


(写真:ポーランド農業農村開発省)

 

2023年9月12日火曜日

ワルシャワでの博物館巡り

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  ポーランドの種とであるワルシャワには数多くの博物館や美術館が集まっている。そこで、特に有名でいくべき博物館をこの記事で紹介したい。

ポーランド・ユダヤ人の歴史博物館
  ポーランドはユダヤ教と深い繋がりを持つ歴史を持っている。第二次世界大戦前は数百万人のユダヤ人がポーランドに住んでいた。今は2万人程度と極端に減ったが、その過去の偉大さには変わりがない。ワルシャワにはポーランドにおけるユダヤ人の1000年に渡る長い歴史と文化、そして様々な出来事などを集めたポーランド・ユダヤ人の歴史博物館がある。

ワルシャワ国立美術館
  ポーランド内で最も大きい博物館の一つであるワルシャワ国立美術館は様々な芸術品を展示している。イタリア、フランス、ドイツ、デンマーク、ロシア、オランダなどのヨーロッパの国からの作品もあれば、古代ローマ、古代エジプト、古代ギリシアの作品や、中国のアート、16世紀から今日までのポーランドの作品などの様々な芸術品が展示されている。特に、中国の芸術品は店内で5000品以上も展示していて、ポーランドで一番多いコレクションを持っている。館内には合わせて830,000点以上のコレクションを保有している。今現在、9月10日まで特別展示としカミール・クロデールとポーランド人女性彫刻家による作品を展示している。


ポーランドウォッカ博物館
  19世紀末に建てられ2007年に潰れてしまったウォッカ工場にできたポーランドウォッカ博物館では500年にわたるウォッカについての歴史について学べる。ウォッカの歴史、文化や伝統、また生産方法の発展などの様々な分野について学ぶことができる。ウォッカの歴史を学んだ後の注目ポイントはテイスティングをできることだ。ライ麦、小麦、じゃがいものウォッカの味の違いを比較することができ、最高の時間を過ごすことができる。


フレデリック・ショパン博物館
  ショパン生誕から200年目の2010年にオープンしたこの博物館では、彼の作品や人生に関するものが展示されている。5000個ある展示物の中には、彼の使っていたピアノ、直筆の楽譜、パスポート、手紙などが含まれている。比較的新しくできたこの博物館は電子書籍、音楽ゲーム、タッチスクリーンなど様々なテクノロジーを使用していて、来場者が展示物と交流できるように工夫されている。






ユダヤ人博物館
作者:Wojciech Kryński https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/c/cc/Museum_of_the_History_of_Polish_Jews_in_Warsaw_building_0010.jpg

国立博物館
作者:BurgererSF https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/3/34/Facade_NMW_04.jpg 

ウォッカ博物館 
作者:Adrian Grycuk https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/0/0c/Muzeum_Polskiej_W%C3%B3dki_Galeria_4_2018d.jpg 

ショパン博物館 
作者:Bosyantek https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/8/8e/Chopin%27s_Muzeum_%28Ostrogski_Palace%29%2C_Warsaw%2C_Poland_01.JPG

ポーランドとウクライナ産農作物

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ポーランドとウクライナは82日にウクライナ産農作物のポーランド領を経由する他国への輸送について、オンラインで会合を行った。

 ここ最近、ウクライナ産の安い農作物が大量にポーランドに流れ、ポーランドは自国の農家を守るため、ウクライナ産農作物の輸入禁止措置を取るという問題が生じていた。しかし、輸入は禁止したものの、穀物がポーランド国内を通過して他の国に輸出されることは容認している。

 

ポーランド側は会議で、Solidarity Laneを効率よく機能させたいことを強調。Solidarity Laneとは、ロシアの攻撃により黒海ルートで輸送できなくなったウクライナの穀物を鉄道、道路、内陸水路によって代替ルートをつくるものである。これによって、ウクライナ産の農作物をポーランドの農業部門に影響を与えずに効率よく輸送することができる。さらに、ポーランド側はウクライナ産穀物を他のEU諸国の港に輸送する方法を提案し、ウクライナ側も「ロシアのミサイル攻撃の影響で異なるルートで輸出する必要がある」と関心を示した。

 

今後もポーランドが隣国ウクライナと、ウクライナ侵攻のみならず、あらゆる面で連帯していくことを願うばかりである。


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(写真:ポーランド農業農村開発省)

2023年9月11日月曜日

自動車、電気自動車部門のレポート公開 電気自動車の発展に期待

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ポーランド貿易投資庁は6月末に自動車、電気自動車部門に関するレポートを公表した。

自動車産業はGDP8パーセント、輸出の13.5パーセントを占めており、ポーランド経済の柱の一つである。ポーランドの自動車部品の輸出は世界トップ10に入る。

 

電気自動車は、ポーランド政府の「責任のある開発のための戦略」(Strategy for Responsible Developments)

の中の重点政策の一つであり、2030年までに、公共交通機関の半数を電気かハイブリッドにすることを目指

している。2017年から2021年の間で、電動バスは既にEUでの輸出の3割以上を占めている。

 

ポーランドは世界をリードするリチウムイオンバッテリーの生産国であり、ヨーロッパで最大の工場がポーランド南西部Kobierzyceにある。高性能なリチウムイオンバッテリーは、ハイブリッド車や電気自動車において需要が大きい。

 

さらに、自動車分野の規模の大きさもさる事ながら、その従業員数も49万人と極めて多い。つまり、ポーランドの雇用者の7.6パーセントが自動車分野に就いていることになる。

 

ポーランドがEV車や水素自動車において今後更なるリーダーシップを発揮することを期待したい。


レポートはこちらから

https://www.paih.gov.pl/files/?id_plik=49567 


 

昆虫タンパク質でペットフードを製造する、サステナブルなポーランド企業

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HiProMineというポーランド企業をご存知だろうか。

 

この企業は2015年に設立し、昆虫や家畜の未利用部分を用いた代替タンパク質を製造している。これらのタンパク質は主にペットフードや魚の飼料として使われている。HiProMineはタンパク質の高まる需要に応える、食料廃棄を削減する、昆虫の可能性を利用するという3つの問題を達成することで、自然への負荷を減らそうとしているのである。昆虫タンパク質は従来の動物から得られるタンパク質よりも水の使用量や二酸化炭素の排出量を大幅に削減することができる上、100パーセント無駄なく使用することができる。

 

そんなサステナブルなHiProMine社は7月末に国家経済銀行(BGK)から3327万ユーロの融資を受けると発表した。この融資でHiProMine社はKarkoszówに飼育材料生産工場を建設し、Robakowoには昆虫の遺伝子繁殖センターを建設する。新施設での生産開始は2024年前半を予定している。近年、肉などの動物タンパク質の値段が高騰していることから、昆虫タンパク質を用いたペットフードはさらに需要が高まることが見込まれる。昆虫タンパク質を人間の食べ物として取り扱う予定はないようである。

 

今回の融資は輸出信用機関(ECA)を利用したものであり、BGKの経営委員会メンバーであるMarek Tomczuk氏は「BGKの包括的な支援により、同社は海外市場での本格的な生産と開発を開始することができる。」とコメントしている

ECA:各国政府が自国の輸出促進等のために設立した貿易保険事業者 

世界でも昆虫タンパク質を製造している企業はまだ少ない。ポーランドのサステナブル企業、HiProMine社がこれからどのように事業を拡大していくかに注目である。


HiProMine: popyt na nasze produkty, białko i nawozy wielokrotnie przekracza podaż.

写真 Forbeshttps://www.forbes.pl/life/wydarzenia/bgk-finansuje-inwestycje-hipromine-produkcja-jedzenia-z-owadow-dla-zwierzat-pasza-z/nzbws6s )より

2023年9月8日金曜日

ショパン好きなあなたへ

   <ポーランドとの貿易・輸出入、ポーランドへの投資、ポーランド進出を考える日本の企業様へ>

   著名な作曲家であるショパンはポーランド出身であることは多くの人に知られている。ポーランドにはショパンの出生の家、育った町など様々なショパンに関する観光地がある。この記事ではそのショパンにまつわるお勧め観光地を紹介したい。

ジェラゾヴァ・ヴォラ

  ジェラゾヴァ・ヴォラは、ショパンが生家で、ワルシャワから54km離れた場所にある村である。ここでは、今は博物館になっているショパンの家に行くことが可能となっている。生家の近くでは夏の季節には土日に様々な有名なピアニストによるショパンの作品を演奏する発表会が行われる。生まれた場所の風景だけでなく、作品を聴くことによりショパンを楽しむこと
ができるのがジェラゾヴァ・ヴォラである。

ワルシャワ市

  ジュラゾヴァ・ヴォラには、ショパンは生後数ヶ月しか住んでいなかった。彼は幼少期から20歳までワルシャワで過ごした。ワルシャワにあった彼の家は戦争で壊されてしまったが、街が復元されたため彼が生い立ちの中で見た光景を実感することができる。また、街の中でショパンの人生と関係する場所にはショパンの作品の録音を流しているベンチが置かれている。ショパンの生い立ちを巡りながら彼の音楽を楽しめる。  


フレデリック・ショパン博物館


  ワルシャワのストログスキ邸にあるこの博物館はショパンや彼の作品に関するものの全てが展示されている。様々な観光客が楽しめるために作られたこの博物館は、子供でも音楽家でも観光客でも十分に満足できるようになっている。ショパンの直筆の楽譜、手紙、や彼の使用したピアノなど様々なものが置かれている。


ワジェンキ公園
  ワルシャワ市の中心部にあるワジェンキ公園はワルシャワ市内最大の公園である。17世紀に建設されたこの公園は、近くの入浴場から名前を取り「お風呂」と言う意味の「ワジェンキ」公園となった。この公園はショパンとどういった関係があるのかと思われるであろうが、ショパン像が置いてある。また、それとは別に夏にはショパンの作品を演奏するアウトドアコンサートを開催している。毎年5月から9月に渡り、毎週日曜の昼に無料で世界中のピアニストによるコンサートが開かれている。ショパン像を見た後に公園でゆっくりしながらショパンの演奏を聴くのは夢のようである。  






ジェラゾヴァ・ヴォラ

作者:Roman Eugeniusz

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/9/96/Zelazowa_Wola%2CPoland%2CEU._-_panoramio_%2836%29.jpg

市内のベンチ

作者:Nihil novi

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/b/bd/Chopin%27s_Warsaw_bench.JPG 

ショパン博物館

作者:Adrian Grycuk

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/1/1f/Zamek_Ostrogskich_w_Warszawie_2022.jpg/1600px-Zamek_Ostrogskich_w_Warszawie_2022.jpg?20220513101722

ワジェンキ公園

作者:Adrian Grycuk

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/c/c1/Koncert_pomnik_Fryderyka_Chopina_w_Warszawie_2014_01.JPG


2023年9月7日木曜日

伝統的ダンス「ポロネーズ」

   <ポーランドとの貿易・輸出入、ポーランドへの投資、ポーランド進出を考える日本の企業様へ>



 「ポロネーズ」。訳すと「ポーランド風」。ポーランドを代表する5つの民謡ダンスの一つである。ポロネーズはポーランドで最も古い民謡音楽と知られている。現在も人気で、メジャーなダンスパーティーやイベントで最初に踊られる曲である。ダンス以外でショパンの英雄ポロネーズを始めとしたクラシック音楽でも有名である。この記事ではポロネーズの歴史や特徴を紹介したい。 

歴史
  発生は遥か昔と言われているが、16世紀から貴族の行進として普及し始める。当時、フランスのボールルームで紹介された後に各国の宮廷に紹介され、「ポロネーズ」という名前が広まった。1573年のアンジュー公ヘンリーの即位においてポーランドの正式な行進曲としてポロネーズは取り入れられた。最初は貴族の音楽であったポロネーズはのちに民族間でも親しまれるようになった。さらにダンスだけでなく、器楽曲として広まり始めた。ポロネーズを作曲した主な作曲家にはポーランド人であるショパンを始めとして、バッハ、ヘンデル、ベートーヴェン、シューベルトなどを含む。現在ではポーランドの高校のStudniówka(ポーランド版のプロム)において最初に踊られている。


特徴
ポロネーズの基本的なリズム
  Chodzony (歩く踊り), chmielowy (ホップ), やpieszy (歩行者)という名も持つポロネーズは3/4拍子で 主に右図のようなリズムをとる。歩くような適度なテンポで、行進のように格調のある音楽である。ポロネーズは男女のパートナーで踊られる。振り付けは主にピボット、パートナーの一時的な分離、そして男性による女性の周りに円を描くことから成り立つ。また、ダンス中に全てのペアが列に並び、トンネルを作って潜るのも特徴的である。

演奏
  もしもポロネーズの演奏を聴きたい場合はクラシックの演奏会 で聴くのがオススメである。近日、日本の演奏会だと9月16日にサ ントリーホールにて及川浩治のピアノリサイタルでショパンの英雄 ポロネーズが演奏される。また、ポロネーズの踊りはフォーマルなイベントでは最初に取り上げられる ので、ポーランドにて結婚式やイベントに参加する場合は事前に覚えておくのも良いかもしれない。いずれにしても音楽であれ、踊りであれ様々な方法で楽しめる曲こそがポロネーズである。



ダンスの画像
作者:Silar
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/1/1e/07702_Polonia_Francja_Pog%C3%B3rzania_Poli
sh_Uplanders.jpg 
リズムの画像
作者:Žiga
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/7/73/Polonaise-rhythm.png

2023年9月5日火曜日

9月にはぶどう収穫祭Winobranieへ

 <ポーランドとの貿易・輸出入、ポーランドへの投資、ポーランド進出を考える日本の企業様へ>

  ポーランドで最大のワインの祭りであるWinobranieは9月9日から9月17日までポーランド西部の街ジェロナ・グラにて開催される。この町はワイン生産量が国内3位であり、ワインの文化が非常に強い。例えば、バッカスノームというローマ神話のワインの神から名付けられたノームが町中に飾られ、観光客にワインを印象付けるような役割を果たしている。これは子供にも人気があり、もし来るとなったら家族で全てのノームを探すのも良いアクティビティになるだろう。

  9日間開催されるWinobranieでは大勢のワイン生産者、またワイン愛好者 が集まり、とても賑やかな祭りである。町役場の近くにブースが多く設置され 、ローカルのワイナリーが多く集まって出店している。そこでは無料でテースティングをでき(店にもよる )、その場でワインを購入することもできる。また、バスによって様々なワイナリーに直接行ってテーステ ィングをすることも可能である。他には毎日昼夜開催されるコンサ ート、様々な骨董品が売っているフリーマーケット、ワインをテーマ としたパレード、ワインの歴史を学べるワイン博物館など様々なイ ベントやアトラクションがあり、9日間いて飽きることはないだろう。

  賑やかな風景と、やることがいっぱいあるこの一週間は逃しがたい機会である。もしもジェロナ・グラへの旅行を検討していたら9月9日から17日までの9日間に行くことを視野に入れておこう。





ノーム
https://www.hippopx.com/en/bacchus-image-brass-drink-drinking-wine-zielona-gora-220013

パレード
作者:Winobranie.pl
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/a9/Winobranie_Zielona_G%C3%B3ra_2012_15.jpg

乾杯する人たち
作者:Mariusz Cieszewski_
https://www.flickr.com/photos/polandmfa/44853862522

ユダヤ人の街カジミエシュ

  <ポーランドとの貿易・輸出入、ポーランドへの投資、ポーランド進出を考える日本の企業様へ>

  クラクフ市内にあるカジミエシュは元々、戦争時にクラクフのユダヤ地区とされていた。それの影響もあり、今はユダヤ人の影響を大きく受けている町である。1988年から世界最大のユダヤ人フェスティバルであるクラクフユダヤ文化祭が毎年開催されている。クラクフに訪れる際はこの長く深い歴史を持つカジミエシュに行って欲しい。


  14世紀にできたカジミエシュは当時のポーランド王カジミェシュ3世から名付けられている。13世紀の頃は、ボレスワフ・ポボジュヌイ公爵によりユダヤ人に対し宗教信仰、貿易、そして行動の自由が保障されて以来、ユダヤ人がこの町に多く関わるようになった。1930年には120個もののシナゴーグが町中に建っており、ユダヤ人は多くいたが、第二次世界大戦に入って以来はユダヤ人の人口は減ってしまった。しかし、1988年から開催されているクラクフユダヤ文化祭によって人口を取り戻し、ユダヤ人の影響は大きくなってきた。そういった過去をもつカジミエシュを観光する魅力を紹介していきたい。


アート

カジミエシュには多数のアートギャラリーが集まっている。そこには、この文化の風潮を表すような作品がたくさん並んでおり、芸術愛好家にとって充分に楽しめるだろう。ギャラリーによっては現代物や古い作品が飾られており、選ぶギャラリーにより味わえる気分は違う。


ユダヤ教


  カジミエシュにはユダヤ人居住者が多いところから、ここには多くのシナゴーグやユダヤ教に関する建物が建っている。特に有名なのが、ポーランドで一番古くから立つシナゴーグである旧シナゴーグである。これは15世紀に建てられ、のちに16世紀中に再建された。第二次世界大戦中破壊され、その後再建されている。長い歴史を持つこのシナゴーグに一度は寄るべきところだろう。